欲望にまみれたメダル争奪戦(2)
(1)では、まるでオイルショック時のトイレットペーパー騒動の様な、玩具店や量販店におけるオーメダル争奪戦、大人と子供が混じったその酷い有様を書きましたが、そんな騒動を助長する、あるいは既に完全に原因の1つに成り得ているのが、この人気に目を付けたらしき転売屋の群れです。
※ここでは劇中のヤミーと云う人間の欲望が抽出された怪物に即して、彼等を「転売ヤミー」と呼びます。Twitterでこの通称を使ったら思いのほか広まって面白かったもので。
Amazonでも楽天でも何でも良いですが、「オーメダルセット」で検索してみて下さい。何処のサイトでも売り切れ状態で、唯一存在してるのが出品者からの供出のみです。この大半が専門の転売業者。そしてそれらに影響され転売で小金稼ぎに勤しむ一般の方々です。
メダルセット01(定価1050円)が3200円よりの出品。一番高く出してる方は1万近い値で出品してます。(これらの価格はこのブログ記述時のもの)
メダルセット02(定価1050円)も同様。こちらは最高値12000円。どちらも出品者の数が半端なく多い事に気付かされます。
こちらは3枚セットの商品をバラ売りして単価を上げてるパターン。3枚完売すれば出品者は6000円近い売上になります。
そしてこのオーメダルは玩具品だけではなく、食玩・ガシャポンカプセルなどの展開もあるのですが、これはそのガシャポンのメダル(1回300円)をフルコンプした状態での販売。実際に全部ダブらずに全種類出すのはほぼ不可能なので、単純に300円×9回=2700円とはいきませんが、それにしても9枚セットで15800円は異常。ここでの最高値は23800円。
以前、嫁が携帯のサイトで発見した店舗ではこの9枚セットを10万ちょいで販売なんて馬鹿な価格提示をしてましたが…。もう笑うしかない。
もう番組が終了したとか、生産が既に終了した過去の玩具にプレミア価格がついて中古相場が高騰化するのはまだ理解しますし納得も出来る。ただ今回のこのオーメダルについては入荷即完売して、その後一部がすぐにこういった転売流通に流れている匂いが強くするのです。余所のブログやTwitterを見ていると、こういった転売ヤミー達が跋扈している様子が感じられます。
定価の倍近い値で自分の店で買取を確約して沢山の学生達に並ばせている店。
購入の行列の脇で「ooo円で買い取ります」の紙を提示している者。
買えなくて泣いている子供の脇で「お宅は今日幾つ手に入った?」なんて談笑しあってるプロの転売ヤミー。
お一人様二点限りの店で、自分の子供の分は手に入ったから残りはネットで高く売りつけて荒稼ぎ♪なんて楽しそうに呟いてる主婦。
あんたら、おかしくないか?どこか。
クリスマスを控えて更に品薄の現在、状況は更に悪化しています。子供の喜ぶ顔が見たいと、時間の無いなか探し回っても商品は見当たらず、仕方なく定価の何倍もの価格で売られているオークションや転売屋から買うしかない親御さん達。
それを見越して大量に仕入れ高値で売り抜ける転売ヤミーの群れ。
確かに別段、何の違法行為でもないし純粋に市場主義に則った商行為なんでしょうけど、「下衆な行為」に見えるんですよ私には。子供に遊んで貰う為の玩具です。三歳以上推奨と書いてあります。
子供の笑顔を願う親心を利用して玩具の転売で一稼ぎを目論むのは、本来は子供の手に渡る筈だったものを子供が泣くなか無理矢理もぎ取ってヒラヒラさせ、その親に「ほら、欲しかったらてめーはもっと銭出しな」と挑発してるようにしか見えないのです。
こういったプロの転売ヤミー、そうして追随する一般のヤミー、彼等に共通する匂いは「自分さえ良ければ人はどうなったって構わない」なのかもしれません。いや、多分そんな事すら考えない、考えようとしない、全く気付かないあるいは意図的に目を逸らしている様な気もします。
もう一度言います。別段違法行為ではありません。ただ彼等の「浅ましさ」を見ていると反吐が出そうになるだけです。正に劇中に登場する欲望に操られた哀れなヤミー。しかし買う側の需要がある以上、メーカーが増産を始めるまでこの状態はずっと続くのでしょうね。
ただ増産についてのメーカー側意見としてこんなのがありました。『昨年品薄になった反省から今年は「昨年よりも数量を増やしている」(バンダイ広報チーム)ものの、それでも売り切れが出る人気ぶり。製品は「中国で生産していて計画調整(追加増産)は難しい」そうで、「このままのペースでいくと、昨年以上の品薄状態になる可能性がある』 これはDXオーズドライバーの品薄についてのメーカー見解ですが、メダルも同様だと思います。
とにかく子供相手の商売でこんなダフ屋まがいの行為が当たり前の様になってるなんて、題材であるヒーローも涙しますねホント。
それとあと1つ気になるのは、数量を増やしたと云うメーカーの言葉。多分その言葉に偽りは無いのでしょうけど、在庫抱えを考えるとそれほど極端な増産はしていないように思えます。それが転売ヤミーの増殖を招いたのではないかと。
そしてもう1つ不信感を持つのが、実はメーカー自身が在庫の流通量を抑えているのではないかという疑惑。現在のヒーロー番組「仮面ライダーオーズ」と「ゴセイジャー」はともにバンダイがスポンサードして玩具を製造販売していますが、この2つの番組は開始時期に半年ほどのタイムラグが付けられています。これは番組終了に伴う玩具の在庫余りを出来るだけ避ける為の手法だと思います。
つまり一番の掻き入れ時であるクリスマス商戦には、来年二月で放送が終了する(=販売寿命が短い)ゴセイジャーの玩具を買って貰いたい、一方のライダーの玩具はまだ来年秋まで放送が続く(=売れる)ので意図的に流通量を下げ、諦めたご家庭に代替としてそちらを買わせようと云う思惑なのではないかと。(私の勝手な推測ですけどね)
※ここで一旦仕事の為、書き込み中止、後に再開
まあ、あくまでも邪推ですが、去年のクリスマスにおけるDXダブルドライバーの品薄状態、そしてその後の流通量の増加を見ると一概に思い込みの一言で片付けるのも如何なものかと云う気もやはりしますね。ひょっとしたらメーカーではなく問屋の思惑なのかもしれませんが。
最後に、この転売ヤミー達や子供ぶっちぎりで買い漁る大人・学生達に対し、何故私は不愉快な気持ちを持つのか考えてみました。
それは多分、いい歳をした大人が子供用の土俵に上がり、いい気になって子供相手に本気の横綱相撲を取っているように思えたからでしょう。
それは「おとなげない」行為であり、「情けない」行為であり、そして浅ましく恥ずべき行為ではないでしょうか?少なくとも私はそう感じました。別にいい歳をしてヒーロー番組を観ておもちゃを購入する、それについてどうこう言う気はありません。私だって子供のお供で観始めて結構ハマりましたね。ただね、玩具の本来の対象は子供達です。自分が先に手に入れて楽しむその裏側に、欲しいのに手に入らず泣いている小さな子供がいる可能性を考えてみて下さい。
正義を守り、真っ直ぐに生きることを子供に伝える特撮ヒーロー番組を観ている大人が、捻じ曲がったいびつな蒐集欲にまみれているのは本末転倒ですよ。
こんな馬鹿な状況が早く改善される事を強く望みます。うちは普通に買いにいって普通に手に入る様になるまで子供には我慢させます。プレミア価格が付いた転売品なぞ絶対に買いません。無ければ無いで子供は工夫して遊びますからね。
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コメント
うう…有難うございます(;ω;)
あまり頑張り過ぎない様に更新致します。実際、ブログはかなり集中しないと書けないタチなので早朝もしくは深夜に書く事が大半なのです。妻子が寝ている時間を利用してますからご安心下さい。
自営なので昼休みも夕方まで3時間ほどあり、世のお父さんよりも子供と遊べていると思います。あ、奥さんの手伝いもたまにちゃんとやってますよ。
ただ最近は私が起きていると子供が寝なかったり、私自身早起きが辛かったり、せっかく珍しく子供が早く寝付いた晩は夫婦生活の方を優先させたかったり(笑)で、時間が取れなかっただけなのです。
もっちゃんさんの仰る通り、それほど頑張らずにぼちぼちと、徒然なるままにゆっくりと書き散らしていこうかなと思います。
今後ともよろしくお願い致します。
投稿: イシュト | 2010年12月12日 (日) 11:33
なんでこのブログに惹かれるのか、またおじゃまします。
コメントを書いてから、イシュト3個頑張るという言葉を書いてる。
頑張らないで。
奥さんや子供さんにしたら、いま、いま遊んでほしいのに、今ほんのちょっとてつだってほしいのに、旦那がパソコンに向かっているのは、腹立つんですけど。
正直頭にきます。
ちょんまげぷりんの本のなかに、ほんと男は使えないと。
何回も読んで、待ってますから。
頑張りすぎないで。
投稿: もっちゃん | 2010年12月12日 (日) 07:57