贋ダム、大地に立てた?
中国四川省、成都市の遊園地「国色天郷楽園」に展示されている(いた?)ものですが、皆が散々くさするように余りにもショボい出来です。もっとも、クリスマスのイルミネーションの目玉の張り子として中からライティングして光らせる為のものですから、材質は鉄パイプとナイロン布。
サイズは15m(遊園地の公式サイトではこれを後に20mに表記変更。嘘でもいいからサイズだけでも勝ちたいと云う事なのかしら?)で本家の18mよりも小さいですし、鉄筋と強化FRPのお台場ガンダムと比べちゃ可哀想といえば可哀想。
ただし、この遊園地の公式コメントとして「あくまでもオリジナルデザインである」と従来のパチもん展示同様、模倣したことを公式に否定しています。いや、否定するのは自由なんだけど、他国の会社が版権をもっている著作物の造形を商目的に模倣するのは自由じゃないから。色が違うから別物だと云う主張なんでしょうか。
この件は日本だけでなく、世界各国へも配信され失笑を買っているようですね。慌てたのか、20日現在では顔の部分を急遽布で覆い隠す「覆面」措置を取って静観している模様。この覆面についても「当初イメージしていたものと違う仕上がりになったため修理中」との事で、いつ修理が終わるかは未定らしい。
今度は顔が変わるのかな?いっそ顔だけイデオンとかにすればいんじゃね?それとも龍の顔でも付けて竜神を擬人化したものだと主張するとか。
余りに酷いので中国国内からも非難の声が出ています。どうして過去散々叩かれているのにこうやって偽物で稼ごうとする(多分悪気はないんだろうけどね)方が次から次へと出てくるのだろう。
中国メディア(新浪)でも「四川省の遊園地が東京に登場した巨大ガンダムを真似(まね)て、山寨(ニセ、パクリの意)国産バージョンを作っている」と報じられるなど、情報は国民レベルまで届いていると思います。
良識があったり、情報に機敏な層の中国人の方は自国内のこういった行為について非難しますが、大多数の方はこういった行為が世界レベルでいえば違法行為である事にまだ実感が持てないのかもしれません。
以前、中国のブロガーのこんな主張も翻訳されていました。
「山寨(パクリ)」の発展は中国国内の消費者にとっては消費への敷居を下げることになる。また、経済発展を促進し、産業の競争度合いを強めるものでもある。業界にとっても庶民にとっても、「山寨」は弊害よりも利益のほうが大きいのである。
米国アポロ計画はナチスの科学技術の上に成り立った成功であるし、日本の学習能力の高さが日本の経済発展をもたらしたが、学習ですら模倣であろう。韓国の自動車産業、電子産業、半導体産業も米国や日本の先端技術を模倣し、それから改善することでイノベーションを手に入れたのである。
つまり、模倣も剽窃も実は正常なことであり、模倣したことのない人がこの世に存在するだろうか?最も重要なのは、模倣の上にイノベーションがあることで、模倣を通じて技術を自らのものにすることなのである。
このような感じで自分の都合が悪くなると論点のすり替えを図る傾向は中国には多々見られます。真似が悪いとは言ってません。然るべき段取りを踏まず、他者の迷惑を顧みず知的所有権をないがしろにする行為について世界各国から文句を言われてるんだ、と言っているのです。
真似なら真似と言い切ればよろしい。(よろしくは無いけど)
「我々のオリジナルデザインだ」などと言い張るから余計に話がこじれる。自国民からも馬鹿にされてしまうような行為は厳に謹んで欲しい。
それと結局、この偽ガンダムは急遽本日撤去された模様ですね。まあ、元がナイロンで巻いただけですから撤収も簡単。覆面させて修理するといった話は何処かへ消えてしまったようですが。
撤去理由も「政府から構造的に危険だと云う指摘があったのでそれに従っただけ」と最後までほっかむりする様子。丁度、北京大学で富野監督の講演会が実施されていたこのタイミングで何をやってるんでしょうね。何をどう言い繕っても一部の人間がこうしたパクリ文化を続けるようなら世界中から「そういった国」としか見られないですよ。残念です。
それと足場はもっとしっかりしたものを組んだ方がいいと思います。竹でしょうかこれ。安全確保もされていないようですし、一人二人落ちてるかもしれませんね。
あとトランスフォーマーも日本の版権物なので、こっちもやめて下さいね。
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