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2011年9月11日 (日)

仮面ライダーオーズ第48話(最終話)「明日のメダルとパンツと掴む腕」レビュー(3)

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一端退いた真木達のお陰か、その日の夜は久し振りに三人で過ごす事となります。いつもと変わらぬ素振りをする映司と、何かが変わったアンクと、それらに不安を隠しきれない比奈の対比。

「俺のメダルのことは映司には言うな」

比奈「どうして…」

「俺と映司がうまく闘うためだ。邪魔したくなかったら、黙ってろ。いいな」

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映司「おまたせ!なあアンク、お前が戻ってくるなんてなんかあった?」

移動販売車からアイスキャンディを買ってきて二人に手渡す映司。前と変わらぬ雰囲気。いつもの三人。でも「何か」が確実に変わっている事に三人とも気付いている。でもそれを口にする事は出来ない。多分、微妙なバランスを壊してしまう事を知っているから。今はつかの間のこの時間の中で過ごしたいのかもしれない。

「ハッ!真木は俺を器にするのをやめた。となれば奴に協力する理由はないし、この身体も必要ない」

映司「じゃあ!」

比奈「もう少ししたらお兄ちゃんの身体、返してくれるって…」

映司「良かったね比奈ちゃん!ほんと良かったよ。それだけが気になってたんだ」

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比奈【それだけって…】

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映司「もうこれ以上お前と戦わなくていいってことか」

「フン!決着がつけられなくて残念だったなぁ」

映司「これ以上の決着はないだろ?」突如としてモノクロノイズに支配される映司の視界。それはグリード化していく証。しかしそれは力の代償に映司が支払ったもの。そして自分の手の届く範囲の者を幸せな方向に導く手助けが出来たと云う自負。ヒトとしての破滅が待つであろう自分自身の未来には目を閉じて。「ホント…これ以上はないよ…」

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比奈【なんで…なんでか映司くんが遠くにいっちゃうみたい…お兄ちゃん、私どうすればいい?】

ここで流れるAnythingGoes!のバラードがとても物哀しい。その旋律はこれから待つ未来が順風満帆ではない事、幾ばくかの哀しい別離が用意されている事を予期させるような、そんな切なくて甘哀しいメロディでした。

比奈【映司くんのことも…アンクのことも…お兄ちゃんのことも…出来ることが見つからない…何も言えない…私には…もう…ただ…】

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比奈【ただ!】

意を決した様に映司の左手とアンクの右手の中に入って同時に手をつなぐ比奈。それは偶然にもグリード化しつつある映司の左手とグリードであるアンクの右手。自分に出来る事は大切な人達を繋ぐ一助になる事。その意思を示す事。そして、もう二度と「離さない」こと。そんな比奈の気持ちが痛いほど伝わるシーンでした。象徴としての人の輪、繋がり、そして信頼。せめてそれだけでもこの二人に伝えたいと云う強い意思。知世子さんから諭されていた比奈ちゃんなりの「欲望」。

そして同じように夜を過ごすこの人も。

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会長「欲望ある限り何かが変わり、生まれる。今日という日を明日にすることさえ…欲望だ…ハッピバースデー!」

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オーズやメダルには縁遠い世界に生きながら、深くその者らに関わってきたクスクシェの知世子の元にも、「明日」、今日に決別を告げる証が届いていました。

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知世子「これって…真木…さん…?」

真木が片時も離さず、自身の一部の様に扱ってきた大事なキヨちゃん人形。それが今、Dr.真木の扮装で白い花を持ち、知世子へと託されていました。

真木自身の最後に残った人間性への決別か、それとも世界を破滅させようとする男が、唯一気にかけていた姉に生き写しの女性へのせめてもの鎮魂の供え花なのか。そのどちらであろうとも、「今日」に別れを告げた証がこの人形だったのかもしれません。

様々な想いが錯綜した夜が明け、運命の陽が昇ります。

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そしてここにも己の運命が大きく変わる者が…。

「ううぁっうう…やめろ、やめてくれ…誰か…助けてくれ…うわぁぁぅぁっ!」

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スクラップ置き場で断末魔の喘ぎをあげるウヴァ。一晩中彼は暴走臨界すれすれの状態のまま苦しみ続け、悶え続けてきたのでしょうか。しかしその拮抗も今や崩れ、彼は己の最後の役目を果たす為の存在に成り果てようとしています。

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もはや人の形はおろか、虫の形すら残さぬ純粋な暴走体と化したウヴァ。もうウヴァの人格など微塵も残さず消滅してしまった、ただの欲望の塊。飢えるだけの存在。飢えて、欲して、人や物をメダルにして掻き集めるけれども、自身には決して集まらない、そんな止まる事のないメダル変換機。彼はそんなものに姿を変えていました。

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周囲のビルや車輌をどんどんと凄い勢いでセルメダルに変質させる能力はあるのですが、この暴走体にそのメダルが吸収される事はありません。暴走体を中心として中空に描かれた「生命の樹」の様なパワーシンボルが、それぞれのサークルごとにメダルを吸収していくのです。

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会長のいるビルも既に周囲はメダル化し始め、彼のオフィスもガラスが割れ突風が吹き荒れる状態ですが、まったく意に介さず鼻歌交じりにひたすらケーキ制作に没頭する鴻上。年代物のプレーヤーが奏でる音楽は第1話でも流れていたハッピーバースデー。彼が祝いたいのは何の誕生なのでしょうか。そして何を何処まで理解している人物だったのでしょう。最後まで謎の人物でした。

まるで天から授けられた生命のエネルギーをメダルに変えて、再び天に戻すかのようなその現象。「よき終末を」と悦に入る真木。そして肝心の暴走体はその中心口からクズヤミーを大量に吐き出し始めます。ここまで姿を変え、人格すら残っていない様に見えるのに、クズヤミー好きと云うウヴァの特徴は残ってるんですね。

地表では夥しい数のクズヤミーをバースコンビが必死に退治して回ってますが、いかんせん数が多い。二人だけでは心もとない状態。

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そんなとき、彼等のもとへ向かう可憐なヒップが1つ。「ビジネスですから」が合言葉の超クール自己本位勤労女性・里中ちゃん。

里中「お疲れ様です!」

伊達「里中ちゃ~ん!こんな状況でよく来たなぁ!」

里中「ビジネスですから」

後藤「さすが俺の上司だ!」

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赤のボンテージ衣装とキャリーバッグとバースバスターの組み合わせがとても素敵な登場シーン。給料分以上働くことをよしとしない性格なのに、ここ最近は自主的なサービス業務が多くて、彼女も実はオーズの物語の中で変わっていった一人ですね。

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後藤ちゃんですら、最初は反動でもぎ取られていたバースバスターを難なく撃てるそのスペックは一体何処で仕込まれてきたのでしょう。彼女もまた謎の多い人物。

クズヤミー達をバース・チームにまかせ、暴走体と真木の元へ向かおうとする映司とアンク。それを陰から見守る比奈の目には昨夜の情景が目に浮かんでいます。三人で手を繋いだその姿。ただイメージの中では、最初はアンクが後ろを向いており、次に映司、それで最後には三人が正面を向く、って感じで表現です。

この演出意図は何だろうなってずっと考えていました。心通わせた(或いはそのつもりだった)三人の仲間と最初に逆の方向を向いたのはアンク、次は映司。だけど最後には皆、同じ方向を向いているって事なのかなと。唯一、比奈だけが最初から最後まで正面を向いているのです。中心となって両方の手を離さずに。色々とこじつけは幾らでも出来るのですが、ここはもう少しレビューを進めてから考えるとしましょう。

この辺で伊達・後藤組と映司・アンク組が入れ替わり、エールを送りあうシーンがあったのですが、ここで使われたストップモーションの演出はちょっと戴けなかったですね。地デジ化されて暫く経ちますが、たまにデジタルノイズが入る事があります。その延長戦上で何らかの受信事故が起きたのかと、一瞬意識が物語から離れ、現実に引き戻されてしまいましたので。

さあ、残すは最終決戦のみ。(4)でレビューは終わると思います。一部とはいえ読んで頂いてる方、こんな冗長なブログにお付き合い戴いて、本当に有難うございます。

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