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2014年9月20日 (土)

仮面ライダー鎧武 第45話「運命の二人 最終バトル!」レビュー

アバンNA「ヘルヘイムの力を得て新たなる姿へと進化を遂げた駆紋戒斗。マリカとナックルを従え、ブラーボとグリドンを退けた。そして世界を滅ぼし、新たに創りかえると宣言するのであった。対する紘汰達は…」

さあ、今週も仮面ライダーナックル、始まるよー

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ビートライダーズの仲間達を裏切るかの様に戒斗側に寝返ったザック。ただその本意は誰も知らない。ただ一人、「今は退け」と囁かれた紘汰以外は…。いや紘汰にしてもその本当の意図が何処にあるのか、何をしようとしているのかまでは掴んでいない。

ペコ「戒斗さん…ザック…裏切ったってどういう事だよ…」

ダンス集団・チームバロンのリーダーとしてやってきた戒斗、そして戒斗がチームを捨ててからはリーダー代行として皆を引っ張り、ビートライダーズの一員として共にヘルヘイムの脅威と戦ってきた筈のザック。ザックまでが皆を裏切るのか…。チームバロンのメンバーであったペコにとってその思いは他の誰よりも深い。その思いに応えるかの如く、その場にザックが現れる。

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ペコ「ザック…!」

ザック「コイツを内緒でシャルモンのおっさんに届けてくれ。」

ペコ「なあザック!いったい何が…」

ザック「今は何も聞くな…」

鳳蓮への言伝を書き記した手紙をペコに渡すザック。紘汰にも言わない。ペコにも言わない。他のメンバーにも言わない。ザックは己一人の責任において、共に踊り、共に戦い、憧れ、敬愛していた戒斗の本心を探り、場合によっては彼に引導を渡す決意すらしている。チームバロンを戒斗から引き継いだ以上、バロンの前リーダーが起こした不始末は現リーダー(暫定)の自分が付けなければいけないと云う自負、そして責任感。その雄々しさは、ザックもまた仮面ライダーの名前を冠するに相応しいだけの存在に成長した証でもあります。

今はビートライダーズ達の本拠地となっているチーム鎧武のガレージで、彼らは戒斗の事に触れながら、これからの対応の事などを検討している様子。とりあえず鳳蓮と城之内の戦極ドライバーとロックシードは破壊されてしまったので、戦力らしい戦力はもうここには殆ど残っていません。傷付いた紘汰と、傭兵として過ごした鳳蓮の技術と経験だけ。後はもう勇気だけですね。

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城之内「戒斗のあれは何なんだよ?アイツいつの間に化け物になってたんだ?」

鳳蓮「ヘルヘイムの果実を食べたのかしら。でも変よね?インベスになったら理性も失うって話だったけど…」

戒斗はロシュエと対峙した際に黄金の果実の力を目の当たりにし、そしてそれに強く引き込まれていました。「これが王の力か…」「世界を創り変える力…あの力さえあれば俺は…!」力をひたすら求め続ける飢えた戒斗の姿を思い出す紘汰。

紘汰「本気なのか…?戒斗

鳳蓮「今の彼は怪我人がどうにか出来る強さじゃないわ」

紘汰「もう殆ど傷は治りかけてんのに、肝心な時に痛みで動けなくなるんだよな」

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そう。先週、イケイケドンドンで攻めながらも、ちょっと何かあると「傷が…傷が…」って呻いてましたこの主人公(ムスカか)。この痛みで動けなくなるってのも何かの伏線…って事は無いわなぁ。ヨモツヘグリの力で攻撃されたものは、それを使用した者と同じく、某かの黄泉の影響を受ける、なんて事も無いですよねぇ。しかしかなり幅広の剣で貫通されてたんですね。こりゃ普通死ぬわ。

城之内「つうかさ、お前、傷の治り方、早過ぎね?」

紘汰「ああ…まあ…こいつのせいでさ、何か俺の身体も普通の人間とは違う感じになってるらしい」

城之内「どういう事だよ?それ」

紘汰「え…あ…その…オーバーロードと似たような力って云うか…」

しどろもどろになっちゃう紘汰。こいつ(ベルト或いはカチドキロックシード)のせいらしい、の説明だけで足りるのに何要らん事まで披露してるのかこの子は。

城之内「それってまさか、お前の身体も戒斗みたいに化け物になってるってことか?」

紘汰「いや…そこまでじゃない。ちょっとだけ…なっ?」

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「なっ?」じゃねえ。しかし細マッチョだな紘汰。

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そこへやって来たペコは鳳蓮の傍に行くと、そっと預かった手紙を差し出す。

ペコ「鳳蓮さん…ザックが、これを…」

鳳蓮「パルドン?」

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手紙を読む鳳蓮の顔に険しい表情が浮かぶ。

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舞も消え、誰もいなくなった廃病院。そこに独りで座り込み、絶望と後悔の自己憐憫ループに浸り切っている光実。泣きはらしたその瞼は腫れ、唇の傷や痣は凌馬に殴打された時のままだ。

光実「もう…誰もいない…どうして僕は…こんなにも遠ざかっちゃったんだ」

貴虎『お前は遠ざかったのではない。ずっと同じ場所にしがみつこうとして、立ち止まっていただけだ』

光実「何?」

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再び現れる貴虎の幻影。実際にはそこに存在していない、光実の深層意識が作り出した贖罪の為の無意識の産物なのだろうか。

貴虎『そんなお前を置き去りにしてみんな先へと進んでいった。それぞれの運命に立ち向かう道を選んでな』

光実「そうやってあんたはいつまで僕を嘲笑っていれば気が済むんだ?」

貴虎『お前こそ、いつまで私の影にすがりつくつもりだ?』

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きょとんとした表情で「…え?」と初めて素の顔がのぞく。

貴虎『何も成し遂げられなかった屈辱…だがそんな痛みは取るに足りない。世界の命運を背負う羽目になった者達よりも、お前はどれだけ恵まれている事か』

光実「待てよ…待てったら!」

貴虎『お前は何物にもなれなかった…その意味をもう一度よく考えてみろ』

光実「ああぁうぁ兄さん!!!」

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号泣する光実。利己に殉じ、信頼を裏切り、子供の様な浅はかさで取り返しのつかない場所にまで堕ちていった光実。いや堕ちていったのではなく、ずっと同じ場所に留まろうとし続けたのだ。何者にもなれなかった意味、それを考えろと幻影の貴虎は言い残して消えていく。何者にもなれない、なれなかったと云う事は、彼は既に「舞台」の上の「役者」ではないと云う事なのかもしれない。人生・世界と云う名の先の展開が不明瞭な舞台と脚本。彼は「役者」としてではなく、舞台装置としてこの世界に意味を持ってくる存在に変わるのかもしれません。だって名前も「光(る果)実」ですし(まだ拘ってますよ俺)

オーバーロード化にまだ肉体がよく馴染んでいないのか、隠れ家で眠っている戒斗。

湊「疲れているようね…今はそっとしておきましょう」

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その夢の中では戒斗は舞と会話を交わしています。今や意識の中でしか逢えなくなった存在であるが故に。子供の頃によく遊んだ沢芽神社、舞の生家でもあるそこの境内、御神木の前を模したイメージ世界の中で彼は舞と向かい合っている。

舞「こんな形でしか今は話しかけることが出来ないの」

戒斗「死んだ訳ではなく未来で俺を待っている。サガラの言葉は正しいようだな」

舞「…半分はね。でも、私と戒斗が出会う未来っていうのは…」

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一瞬挿入されるイメージカット。それは滅びた世界、廃墟にしか見えない世界。かつてオーバーロード達が通ってきた世界と瓜二つにも思える寒々しく荒涼とした世界。

戒斗「古いもの、弱いものは消え、強くて新しいものだけが生き残る。力だけを信じ、弱者を踏みにじってきた人間たちのルールだ。だから奴等も滅び去る。より強い者が現れた事で自らのルールで裁かれて消える…」

舞「それがあなたの望み?」

戒斗「舞…お前が欲しい。黄金の果実を俺に渡せ」

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頬に手を回し求愛するかの様な戒斗。舞本人が「欲しい」のか、黄金の果実のみを欲しているのか、もう自分でも分からないのかもしれない。分からないのなら分からないなりに、力で両方奪えばいい、どちらにしろ手に入る、そんなシンプル力の論理なのかもしれません。もっと舞を気にかけている素振りが伏線で見えていれば良かったのですが、やはり唐突感は否めない。

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舞「私と果実、本当に欲しいのはどっち?」

戒斗「選ばないし区別もしない。俺は果実をつかんだ最強の男としてお前を手に入れる!」

舞「本当に身勝手ね。戒斗らしい」

戒斗「俺の未来で待っていろ…そう長くはかからない」

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沢芽神社で思い出しましたが、この物語の舞台である沢芽市、その名前の制作上の由来はまだはっきりしていません。(もう何処かに出てるのかな?)無い知恵を絞ってずっと考えても「The War may」、「The War mate」くらいしか思いつかなかったのですが、ザワメシのローマ字表記[ZAWAMESHI]の頭のZを90度回転させNに変換すると[NAWAMESHI」になると云う説を目にしました。そしてこの文字群をアナグラムとして組み直すと、そこに[SHIMENAWA(注連縄)]の文字が浮かび上がってきます。現世と神域を区切る結界、場合によっては禁足地の境界を表す神祭具。

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沢芽市そのものが、元々は巨大な神域であり、注連縄(ヘルヘイムの植物)によって区切られたこの世のものではない場所だったのかもしれません。だからこそヘルヘイムの森と繋がるクラックはこの街にのみ現れていたと。そしてあの御神木もまたヘルヘイムと繋がったものだったのかもしれません。北欧神話で云う処のユグドラシル(世界樹)として。そして舞はそこに仕える巫女の家系。巫女は神々を安らげる為の踊りを奉納します。舞と云う名はそこに繋がっているのかもしれません。そしてダンスと云う設定も。

また注連縄は日本神話において天照大神が天岩戸から出てきた際、二度と天岩戸に戻らないように注連縄で戸を塞いだのがその起源とされています。天岩戸伝説。これを仮に当て嵌めていくなら、踊りを踊ってアマテラスの注意を引いたアメノウズメは舞、岩戸を力でこじ開けたタヂカラオは戒斗、アマテラスは…紘汰?(うーん微妙)アマテラスは舞だよなー。

ただアマテラスの弟であるスサノオが暴虐の限りを尽くし放逐された後、改心してヤマタノオロチを退治し、やがて勇者として崇められるようになる逸話があります。悪虐だった者が改心してヤマタノオロチ(蛇)を倒す、これ、スサノオの役を演じるのは光実なのではないでしょうか。蛇とはヘルヘイムでもあるサガラ。そんな当て嵌め方すると妄想としてはちょっと楽しいんですよね。

そーいやサガラの名前由来もよく分からないんです。インド神話にサガラと云う王は登場するのですが。天界の川であったガンジス(女神ガンガー)を地上に降下させる原因を作った王様。

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それとこの世の場所ではなさそうな沢芽市ですが、本当はバットマンのゴッサムシティだったのかもしれませんな(笑)これ文芸側のミスなのか故意なのか興味あるなぁ。偶然の一致では済まないレベルの相似。

そしてビートライダーズが待機しているフルーツパーラー「ドルーパーズ」ですが、このスペルが「Droopers」であるなら、Droopとは「うなだれる」「消沈する」「(草木が)萎れる」などの意味があります。余り縁起の良い名前ではないですが、「草木が萎れる」の意はちょっと引っ掛かりますね。ヘルヘイムの植物を萎れさせる者達、の意味にも繋がる。「Dorpers」だと羊ですし。

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そのドルーパーズ店内にて鳳蓮は手際よく小型の無線発火式爆弾を組み立てていました。かなり小さいサイズ。沢芽市がほぼ無人と化したからといって、肥料や火薬などを入手して爆発物を混合したとは思えないし、第一皆がいる店内でやるには危険過ぎる。プラスチック爆薬をベースに作り上げたと思うのですが、これ何処から手に入れたんでしょうね。傭兵時代の習慣で、ある程度の武装をこっそりケーキ店に隠匿してたんでしょうか。おまわりさーん、こっちです。

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マスター「それにしてもあんた、よくこんな物騒なもん作れたな」

鳳蓮「元傭兵は伊達じゃなくってよ」

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そこへタイミングよく現れたのはザック。

ザック「準備はどうだ?」

鳳蓮「丁度今出来たところ」

ザック「意外に小さいな…」

鳳蓮「こうみえても威力は十分よ」

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威力とは何をどう破壊する為の威力か。ザックの手紙に書かれていた依頼はどの程度の爆弾を示していたのか。またザックは鳳蓮が爆発物を所持している事を知っていたのですね。この辺を示唆させる伏線もちょっとあると嬉しかったのに。「傭兵だったから」で片付けても別にいいですけど。

城之内「しかし味方の振りして相手の懐に入り込むなんて、お前も相当な策士だね」

ザック「…俺の事、味方だと思ってる奴を、これから裏切って罠にはめるんだぜ?」

鳳蓮「あいつは最初に人類を裏切ったの。今のあなたは正義の味方よ」

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諭すように優しく応える鳳蓮の言葉が、ザックには重い。一番大好きで、憧れていて、そして心の奥では今も尊敬しているだろう相手をこの手で止めなければならない。場合によっては、その生死すらも…。

ザック「戒斗は…いつだって何かと戦ってきた。あんな力を手に入れて…ユグドラシルもオーバーロードも倒した後で、あいつが次に牙をむく相手が誰なのか…ずっとそれが心配だった…」

ペコ「なあ、ザック。本当にやるのか?戒斗さんを…」

ザック「戒斗は俺が止める」

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心配そうなペコの肩に手を置き、ただ一言、己の決意を告げるとザックは店を出ていく。ザックにとってこれは人類を守る云々の話じゃない。チームバロンとして一緒にやってきた大切な仲間に対する「ケジメ」の話だ。チームから出現した悪辣なる者はそのチームが責任を持って処理する。かつて戒斗から教わった事の1つでもあった筈だ。

ビルの屋上から地上を睥睨し、次々と現れるインベスを見下ろす戒斗と湊の姿。

湊「あれが全て貴方の意のままに…」

ザック「ずいぶんと増えたな」

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そこにザックが加わります。表情には思いつめた決意が少しだけ垣間見える。ポケットには手を入れたまま。

戒斗「全人類を敵にまわすんだ。あの程度ではまだ足りない」

ザック「そうまでして世界を滅ぼす事に…何の価値がある?」

戒斗「価値が無いものを消しさる。それが俺の戦いだ」

ザック「アンタからリーダーを引き継いで、俺は変わった。戦いの意味を…誰かを守る誇らしさを知った。だが戒斗…アンタはどうしてそうなった?それがアンタの求めてた…強さか?」

戒斗「そうだ。守るものも失うものも無くなった俺は、もう誰にも負ける事はない」

ザック「そうか…結局あんたは何ひとつ変わってないんだな…」

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ザックは変わった。戒斗の代理を務めていく事で、チームを、誰かを守る事を知り、そして戒斗のいた地点すら越える事で、初めて客観的に戒斗を捉える事すら可能となった。ザックの成長と対をなすように、戒斗はたぶん、ずっと以前から何も変わってなかったのかもしれない。変わったのは「守るもの失うもの」が無くなった事だけ。だから俺は負けない、と宣言する戒斗だが、それは負ける要素がないだけで勝つ事に繋がってはいないのだと気付いていない。

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そしてゆっくり離れていくザックの様子を不審気に見る湊。その注意深い目は戒斗の背後にザックが何かを取り付けた事を見逃さなかった。

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ポケットに入れたザックの手の動きと先ほどの「何か」が頭の中でぴたりと繋がる。爆弾!「何をするつもり!?」間髪入れずザックの手を掴み、その手の中にある発信機をもみ合いの中ではたき落とすが、飛んでいった発信機はザックの近くに落ちてしまう。間に合わないと判断した湊は戒斗を守る事を最優先させ、凌馬の残したゲネシスドライバーで変身する。

湊「戒斗ーーー!」

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「ピーチエナジーアームズ」

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一瞬、逡巡しながらも爆弾のスイッチを入れるザック。

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爆発の瞬間、戒斗を突き飛ばし己の身体を盾として戒斗を爆発の衝撃から庇う湊耀子。だが近距離からのその強烈な衝撃は湊の身をビルの屋上から放り出してしまう。余談ですが、ゲネシスをうっかり平仮名入力で変換してしまうと「下ね死す」になってしまって、これもプロフェッサーの残した呪いなのかと思ってしまいました。シドは圧死でしたけどね。

ザック「しまった…!」

戒斗「ザック…貴様ァ…!」

ザック「俺の務めだ!」

湊の命懸けの自己犠牲により戒斗は無事だ。大好きだった戒斗に対し初めて牙を剥くザックの決意。それはどんなに哀しく辛い決断であったろう。だが彼は毅然とこう言い放つ。それが「俺の務めだ」と。

「クルミ」「ロックオン」「クルミアームズ ミスターナックルマン」

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旧式ドライバーのクルミアームズ風情で、オーバーロードと化した戒斗を倒せるとザック自身も考えてはいない。だから人間態の時に爆弾を用いて暗殺すると云う手法を取らざるを得なかった。それが失敗した今、戒斗を倒せる可能性はほぼ無い。しかしそれでも雄々しく、誇り高く叫ぶザックの姿。

ザック「俺には守るものがある!犠牲を越えて…戦う価値がある!」

戒斗「そうか、強くなったな。ザック!」

ザック「うおおお!カイトォォ!!」

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ザックのクルミアームズに合わせたかの様にバナナアームズで迎え撃つ戒斗。それはせめてものザックに対する戒斗の想いだったのか。

「カモン!バナナスカッシュ」

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強烈な一撃を受け、ベルトとロックシードは破壊、ザックの変身も解け吹き飛ばされる。最早立ち上がる事すら出来ないが、それでも精一杯の力を振り絞り戒斗に向けその顔を上げるザック。

ザック「…俺が最後じゃない…誰かがまた…」

戒斗「ああ、分かってる…」

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戒斗に対し己の筋を通したザックと、それを受け容れた戒斗。最後に少しだけ笑ってザックは気を失う。噛み合う事にはなったけれど、その笑顔はそんな自分すら真剣に受け止めてくれた昔と変わらぬ戒斗に対する思いだったのだろうか。とんでもなく良いキャラクターに成長したザック。ここで死んだのではないと思いたいです。

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ビルの下では湊耀子が打ち捨てられた人形の様に倒れている。意識はまだあるが、至近距離での爆圧、そして高層ビルからの落下の衝撃は、例えピーチアームズで武装していたとしても、着装した中の人間まではその衝撃から守ってはくれなかったらしい。そのベルトの前のオーナーである凌馬と同じビルからの落下と云う形でその命を閉じようとしている耀子。これもまたプロフェッサーが残した悪意の輪廻なのか。

戒斗「俺の行く末を見届けるんじゃないのか」

湊「そうね…無念だわ…」

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耀子を抱き起こす戒斗。太腿の筋肉が一瞬浮き上がるのが私は好きでした。

湊「ねえ…もし私が知恵の実を掴んでいたら…あなたは私を求めてくれた?」

戒斗「…耀子は耀子。知恵の実は知恵の実だ」

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ほほ笑む耀子。目をつむり微かに笑う。

湊「ホント…不器用な人…」

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耀子の一方通行に過ぎない想いだったのかもしれなかったけど、彼女は自分の選んだ男の腕の中でその死を迎える事が出来た。その耀子の手にそっと自分の手を重ね、送ってあげる事だけが無骨で不器用な戒斗に出来る精一杯の感謝だったのかもしれない。

短い時間でしかなかったけど、湊耀子は自分の望むままにその人生の最期を生き抜く事が出来た。

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亡骸となった耀子を抱きかかえて歩いていく戒斗とそれに付き従うインベスの群れ。それは奇妙な葬送の行進。百鬼夜行の如き、この世のものではない鎮魂の宴。

彼はこの後、湊の死体を何処に葬ったのだろう。劇中ではそれが描かれる事はなかった。ロシュオの様に石の棺に納めたのか、ヘルヘイムの森に埋葬したのか。それとも…。

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一方、紘汰はドルーパーズの外であちこちに蔓延っているヘルヘイムの果実の1つをその手にもぎ取り、冥い表情でじっと何かを考え込んでいた。追ってきた姉はその姿に気付く。

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姉「紘汰!それ危ないんじゃ…」

紘汰「本当は…薄々分かってたんだ。食欲がなくなってからも…旨そうだって思えたのは…」

姉「紘汰!」

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むさぼる様にヘルヘイムの果実に齧り付く紘汰。泣きながら、悲しみの嗚咽を漏らしながら、ただひたすら獣の様にむさぼり続ける。それがどう云う結論を導き出すのか、今まで誤魔化し続けた事実をここで明らかにしようとでも云うかの様に…血の涙を流しながら肉を喰らうキマイラの様に。

紘汰「ああ…やっぱり旨い…」

姉「紘汰…あなた…」

紘汰「ごめんな姉ちゃん…俺もう、姉ちゃんの手料理…食べられないや…いいんだ!姉ちゃん。ほら、前にも言った事あっただろ?今とは違う自分になりたいって…」

泣き笑いの様な紘汰の表情。

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姉「だからって そんな身体になってまで貴方は…」

紘汰「これが正しいかどうかは分からない。でもな、今なら…今の俺なら…正しい人達の味方が出来るんだ!」

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それは悲壮な決意。紘汰の依って立つ場所は「信頼」だと以前書きました。正しいと思える人達を守る為なら、その信頼の為なら、彼は己の身を投げ出しても良いと思える処まで辿り着いてしまったのかもしれません。それが哀しい結末を呼び込むものだとしても。

そして戒斗がドライバーの力を借りて痛みに耐えヘルヘイムの果実との適合体質を手に入れたように、紘汰はカチドキロックシードと極アームズによって同じような耐性を既に手に入れていました。だからもう実を食べてもインベスにはならない。既にオーバーロードになっているのだから。

ドルーパーズの店内では、ザックからの成功の報を待つ鳳蓮達の姿がありました。

鳳蓮「これだけ待っても連絡がない以上、失敗したと考えるしかないわね」

ペコ「そんな!じゃあ、ザックはどうなったんだよ!?」

鳳蓮「もう 私たちに出来る事は何もないわ」

鳳蓮と城之内の戦極ドライバーは喪われ、唯一あるベルトは紘汰のものだけ。但し、腹に大穴を開けられてまだ完全復帰には至っていない。尤も、仮にブラーボとグリドンに変身出来たとしても、最早それでどうにか出来るレベルの状態ですらない。鳳蓮の傭兵技術ですら、ここでは戦力の見極めに使う程度しか用を成していないのだ。(紘汰のドライバーを鳳蓮が借りるってのも多分NGなんでしょう、色々な意味で)

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そこへ自衛隊が突然このタイミングで現れる。先ほど、紘汰と姉のやり取りの最中に聞こえてきたローター音の正体はこれだったか。しかし、何故今になってやっと?

自衛隊員「救援だ。遅くなって済まない。既に保護された避難民から連絡があった。ビートライダーズとか云う連中が沢芽市に残って住民の避難を誘導していると。君達の事だね?」

城之内「そっか…みんな無事だったんだ」

自衛隊員「とにかく君たちをシェルターまで送っていく。さあ」

ペコ「ええっ、ちょっと待ってよ。ザックが無事か確かめないと!」

自衛隊員「すまんが時間があまりない。あと5分で撤収しなければヘリは我々を置き去りにする」

沢芽市は既に第一級危険エリアとして隔離された状態になっているようです。そんな処に決死の思いで救援に駆けつけてくれた自衛隊に感謝こそすれ、注文など付ける事は出来ません。彼らもまた命を懸けてここに辿り付いたのですから。まるでゾンビに占領されたラクーン・シティへ救援に現れた米海兵隊の様なものです。とは云え5分の時間設定根拠は何だったのだろう。単に危険回避の為の作戦行動なのか、5分を過ぎた段階でここは正式に「人の世界」から弾かれ、また沢芽市壊滅の為のミサイル攻撃が始まるとでも云うのか。

チャッキー「そんな!まだ紘汰さんも晶さんもいないんだよ?」

自衛隊員「それとあの植物の実を食べたり、傷口から芽が生えてきた人はいないだろうね」

顔を見合わせるしかない皆。そのどちらにも該当しているのは戒斗、その情報は伝えられたのでしょうか。そして紘汰も既に。しかし、その二点に該当する者がヤバいってのは自衛隊員は何処で仕入れてきた情報なんでしょ。私の記憶が確かなら、全世界はもうヘルヘイムの植物に蹂躙されている最中です。中には実を食ってインベスと化したりした者もいたのでしょうね。

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姉「あれは…自衛隊?」

紘汰「やっぱり俺たち…見捨てられてなかった」

姉「紘汰?」

紘汰「みんなに伝えてくれ。戒斗やザックのことは俺にまかせろって。先に町から避難しろって」

姉「そんな…」

姉をそこに置いて独り、救出現場から離れていく紘汰ですが、戒斗とザックの事は気に掛けても光実の事には考え及んでいないんでしょうか。もう避難した筈と勝手に思い込んでいるのかな。あんだけ自分を犠牲にしながら救った相手なのに、存在を失念してる様子も感じられます。常に目の前の状況しか裁けない人だったかもしれません。

そんな紘汰の脇にオルタナティブの舞が現れます(このシーン、横スライドする舞の姿がちょっと噴飯もので台詞よりも、これ台車とかに乗せて押してるんかなーなんて撮影時の様子が頭に浮かんでしまって…)

舞「本当にこれでいいの?」

紘汰「ああ、後悔はない」

舞「貴方と戒斗が戦うなんて…」

紘汰「いつだったか、お前と戒斗に聞かれたよな。俺がどんな未来を望むのかって。その答えが何となく見えてきた気がするんだ」

舞「えっ?」

紘汰「だからそれを果たしにいく。戒斗と…そしてお前のために……フンッ!!」

裂帛の気合と共に空中にクラックを開き、大量のインベスを召還する紘汰。彼もまた既に完全にオーバーロードと化している事がここでとうとう明らかにされます。

紘汰「迎えにいくよ…舞。そう長くは待たせない」

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「俺の未来で待っていろ…そう長くはかからない」と伝えた戒斗。「迎えにいくよ、舞…そう長くは待たせない」と伝えた紘汰。

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そして遂に対峙する、運命を分かつ二人の覇者。彼らの後ろには数え切れぬ程のインベス達も付き従っています。

戒斗「やはり最後まで俺の邪魔をするのはお前だったか…葛葉紘汰」

紘汰「戒斗…お前は一体何がしたいんだ?」

戒斗「今の人間では決して実現できない世界を、俺が…この手で創り上げる」

紘汰「何だよそれは…!」

戒斗「弱者が踏みにじられない世界だ。誰かを虐げる為だけの力を求めない。そんな新しいいのちでこの星を満たす。舞といっしょに…知恵の実を使って!」

紘汰「今の世界でそれは無理だって言うのか」

戒斗「それが俺の生きてきた時代だ…誰もが強くなる程…優しさを忘れていった!」

紘汰「強くて優しい奴だって大勢いた。みんなこの世界を守ろうとして必死だった!」

戒斗「そんな奴から先に死んでいった!優しさが仇になって、本当の強さに至れなかった…貴様もそうだ、葛葉紘汰」

紘汰「いいや。俺はお前だけには負けない。お前を倒し、証明してみせる。只の力だけじゃない本当の強さを!」

戒斗「それでいい。貴様こそ俺の運命を決めるに相応しい」

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「バナナ」「ロックオン」

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「オレンジ」「ロックオン」

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戦いの火蓋は切って落とされました。そしていつか見たあの風景が始まります…。鎧武とバロンの戦いに押された様にインベス同士も戒斗軍・紘汰軍に別れ、互いを屠り始めました。この世界の方向性を位置づける最後の戦い。世界の可能性を探るハルマゲドン。

しかし、優しい奴から先に死んでいく!と看破していた戒斗ですが、その論理からするとこの物語で一番優しいのは裕也でその次が初瀬ちゃん、三番目がシドなんですね。ふーん。

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乱戦の中、バイクに乗って闘う二人。これは騎馬戦です。それはそうとこのバイクに乗って一定以上のスピードを出すと自動的にヘルヘイムに行っちゃうんじゃなかったでしたっけ?!

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互いに一歩も退かず、やられれば次はダンデライナー(エアバイク)による空中戦、巨大インベスも現れCG使いまくりの大盤振る舞い。残り2話ですからもう予算も気にしなくていい!まるで劇場版のような派手なアクション&立ち回り。

終盤の玩具アピールだって忘れていません。流石に全部は無理でしたけどね。

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久し振りにジンバーレモンですら登場させます。戒斗はマンゴーアームズ。そーいや、戒斗のゲネシスドライバーは破壊されていたのでした。そして戒斗はロード・バロンの姿へ。

戒斗「葛葉ァーーー!!」

紘汰「戒斗ォーーー!!」

さあ残るはあと二回の放送のみ。盛り上がるラストに向けて(俺も)頑張れ。それにしてもこうやってレビューの形で鎧武を詳細に振り返ると(いつもはリアルタイムで一回視聴するだけなのでさっと流してしまう)登場人物みんな、自分の心の中を赤裸々に語っていますな。慮るとか、示唆するってのが無い。全部台詞で語られてしまっている。

それがこの脚本家の持ち味なのか、今回わざとそうした趣向にしているのかは分かりませんが。推し量る隙間がちょっと少ない気がするんですよね。それがキャラクターに感情移入しにくい原因なのかなぁ。盲導犬RPGのテキストみたいな感じもするのです。

えーと、あと今ちょっと思い付いたので書き足しておきますけど、極ロックシードってのは黄金の果実の欠片みたいなものだったんですよね。だから紘汰にオーバーロード化現象が起きた。そして極ロックシードってのは他のロックシードとは異なり、錠前ではなく鍵の形をしています。

以前、錠前ばかりでこれを真に「開ける」鍵が無いと考えてましたが、極がそれに該当するものなんでしょうか。そして黄金の果実、知恵の実、これが最後のロックシードに変化した場合、極を用いて開いた錠前は何を、どのように開いてゆくのでしょうね。あと錠前と鍵ってのは、若干性的な意味合いもあるので、そこにも留意しておきましょう。(考え過ぎだもう寝ろ俺)

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あと次週予告にあったこのカット。壁に貼られた大量の「この人を探しています」の貼り紙の前で呆然と立ち尽くしてる城之内の姿。今回の騒動に巻き込まれて死んだり行方不明になった一般の方達のものでしょうか。とても重く、そしてそれは彼らにとって何を感じさせる事になるのでしょうね。

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