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2014年10月 5日 (日)

仮面ライダー鎧武 最終話「変身!そして未来へ」レビュー (1)

さあ、いよいよ鎧武の最終回。物語の本質は先週で終わっていますから、今回は1話まるまる使ったエピローグ。

1)ダンス&ポケモンバトル

2)ユグドラシルの陰謀

3)ビートライダーズ統合vsユグドラシル

4)オーバーロード出現で三つ巴

5)ユグドラシル崩壊&各勢力のミックスと分離

6)オーバーロード全滅

7)ライダー戦国時代とその結末

このような流れで描かれた鎧武の物語。そして各キャラクターの成長。語り残されているものは数名のアーマードライダーや周辺の人達の成長とその覚悟。

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いや、レビューの為に何回も観直してたんですが、何度観ても楽しかったです今回。気持ち良い程の綺麗なエピローグ。さて、じっくりと物語を追ってみましょう。

紘汰「やめろ!インベス!変身!ここからは俺のステージだ!」

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最終回は光実の回想シーンから開始。街で暴れるインベスからみんなを守る鎧武オレンジアームズの姿。まだユグドラシルの脅威も、ヘルヘイムの脅威もハッキリせず、ただ手に入れた「守る力」で目の前の人を救っていたあの頃…。

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そして撃破した爆炎に被さる様に「仮面ライダー鎧武」のタイトルが浮かびます。おお、遂に最終回!オープニングは省略され本編へと…。

光実「紘汰さん!怪我はありませんでしたか?」

紘汰「ああミッチ、こっちは大丈夫だ」

光実「よかった」

紘汰「あぁ!バイトの面接ゥ!」

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コミカルに慌てながら立ち去る紘汰を尻目に、遠巻きに眺めていた街の住人からは聞こえよがしに冷たい目で敵対視した言葉が放たれていました。

「何だよアイツラ」「わざとらしい」「ヒーローにでもなったつもりかね」「大体インベスが暴れてるのはビートライダーズの仕業じゃねえか」

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そう、この時はまだ、街を騒がすインベス騒動は全てビートライダーズと呼称されるこのダンスチーム連中の仕業であると情報操作されていた頃の話です。決して感謝されない、報われない戦い。残された光実の背にその言葉は突き刺さる様に届きます。

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チーム鎧武のガレージに戻った光実は紘汰に問いかけます。

光実「どうして紘汰さんはまだ戦おうとするんです?」

紘汰「何だよいきなり」

光実「世間では僕たちビートライダーズはすっかり悪者です。街の人を助けた処で報われる事はない…そんな戦いに何の意味があるんですか?」

紘汰「報われるかどうかは関係ないだろ?やらなきゃならないから戦う。それだけだ」

光実「でも紘汰さんがそこまでする必要なんて無いじゃないですか」

紘汰「戦う力を持ってんのに何もしないなんて、俺には無理だよ.…ミッチだって何だかんだ言って一緒に戦ってくれんじゃねえかハハハッ」

光実「僕はただ!紘汰さん達が幸せならそれで満足ですゥ!(笑)」

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じゃれあう二人。かつて存在した辛くも温かい思い出。もうそんな時間は永遠に戻って来ない。そしてそれを壊す一助になったのも、紛れも無く光実自身の独善なのだ…。

そして七ヶ月後…

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大災害後も無事であった呉島邸で光実と貴虎は元通り一緒に暮らしています。描写はされませんが、以前同様にお手伝いさんなども戻っているのでしょう。向かい合って食事をしていますが、半年以上経ってもまだぎこちない会話を交わす事が、この二人の間に一度開いてしまった溝がまだ完全には修復されていない事を示しています。

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互いに寄り添おうとしながらも、ぎくしゃくしてしまう。そう、弟はかつて兄を殺そうとし、それが原因で兄は生死の境を彷徨っていたのは否定しようの無い事実。

精神世界で紘汰から受け取った「今の自分が許せないなら、新しい自分に変わればいい。それが出来るって事をミッチにも教えてやってくれ。貴虎、あんた自身が変わる事で…」の実践はそう簡単に短期に成るものではない。少しずつ、雨水を溜める様に溝を埋めていく作業。如何せん、元からそれほど親密な兄弟関係ではなかったのだから。貴虎の方はともかくとして、光実は過保護な兄に対する反発心がその根本にはあった。

貴虎「光実…どうだ、最近の…調子は?」

光実「うん…悪くないよ…兄さんはどう?相変わらず忙しそうだけど…」

貴虎「ああ、ヘルヘイムの脅威は去ったとはいえ、世界はまだ混乱している。復興に力を尽くす事が今の俺に課せられた責務だ…フッ…それで罪滅ぼしになるとも思えんがな…」

貴虎はヘルヘイム植物の侵食から世界を、いや人間を守る為にプロジェクト・アークを推進していた責任者でした。未来に生きる人間を救う為、世界がヘルヘイムに埋め尽くされるまでのタイムリミット10年の間で生産可能な戦極ドライバー10億本を限定された人間にのみ与え、ヘルヘイムの淘汰力から身を守る箱舟計画。

そして残りの60億の人間はインベスに変化する可能性が高いので、脅威となるその前に人間のまま全て抹殺してしまおうとする非人道的な選別計画。その罪科の重さ、業の重さを貴虎自身は「大人」として骨身に染みるほど理解しているのです。

決して欲や悪意を基に始めたものではなく、人類を残すにはこの方法しかないと云う血の涙を流す様な決断だったのでしょうけど。彼はその想いをずっと抱えて戦ってきたのです。

光実「兄さん…」

貴虎「明後日にはアメリカに発つ。お前には迷惑をかけるな…」

光実「僕は大丈夫…気にしないで…ご馳走様でした…」

光実が本当の意味で変わるには「切っ掛け」が必要だ。それはまだ彼に訪れていないが、それを受け容れる為の土壌を貴虎は作ろうとしている。そしてそれはほぼ出来上がり、あとは「切っ掛け」を待つだけなのかもしれない。蛹が蝶に変わる様に。

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街のダンスステージで練習をしているビートライダーズ一同。前はあれ程いがみ合っていたチーム同士が皆仲良く合同で踊っている様子を、光実はまた遠くから眺めている。またその輪に加わりたいのに、近付く事が出来ないアンビバレンツ。まだ彼は自分自身を許せていない。

一緒に踊ってますけど、それぞれのチーム衣装はそのままなんですよね。決して合同して1つのチームになった訳ではないけど、こうやって皆で集まる事は出来る。そんな中、寂しそうにこちらを眺めている光実の姿にふとメンバーが気付く。

「ミッチ!」「ミッチ!」

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チャッキー「どう?まだ一緒に踊る気になれないかな?」

光実「…ご免」

チャッキー「そっか…」

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背を向けてその場を立ち去る光実。

チャッキー「ミッチ、まだ自分の事、許せないのかな?」

ペコ「構ってやる事ねえよ。放っとこうぜ…」

ザック「ペコ…」

ペコ「簡単には割り切れないだろ…」

ザック「まあな…だが、それはあいつもおんなじさ。今は、そっとしといてやろうぜ」

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一度出来た溝を埋める事は難しい。それも裏切りによって出来た心の溝ならば尚更。そして今、ビートライダーズの軸を務めているのはザック。四ヶ月前には松葉杖をついて歩いていましたが、無事踊れるまでに完治した様子で良かった。戒斗との戦いで二度と踊れない程の障害をその身に受けたとばかり思っていました。

そんななか、メンバーの一人である少女の肩にそっと不気味な虫が一匹止まった事には誰も気付いていませんでした。

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シャルモンのテラスで何事か相談している貴虎と紘汰の姉・晶。ただその様子は恋人同士が談笑している様にも見える。案外この二人はお似合いなのかもしれません。

貴虎「私は光実の事を何一つ理解してやれなかった…兄失格です」

晶「私だって紘汰の事、全部分かってた訳じゃない。そう云うものですよ、兄弟って」

貴虎「彼には本当に大きな借りが出来てしまいました」

深く頭を下げる貴虎。世界を救おうとしていた彼にとって、自分の身をこの世界から捨ててまで守りぬいてくれた紘汰には感謝の気持ちしかない。

そして自身の不甲斐なさ、申し訳なさで身の置き処が無かったのかもしれません。それを癒してくれる相手として紘汰の姉と云うのは正に最適解なのかも。

晶「紘汰は自分の進むべき道を見つけたんだと思います。だから、これで良かったんです」

鳳蓮「あらぁーメロンの君、やけちゃうわね。こちらはお得意様へのサービスでございます!」

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二人のテーブルへケーキを運んでくる鳳蓮。貴虎にご執心だった鳳蓮にしても、この二人はお似合いだったのでしょうね。

晶「まあ素敵!」

鳳蓮「今度の新作よ。自信作です」

晶「んーおいしー!」

貴虎「ウンまた腕を上げたな」

鳳蓮「ノノノ・ノン!」

城之内「メルシー!お気に入り戴けて、何より!」

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ドングリアームズの「ネバーギブアップ!」音声を背景に椅子に座り脚を組み、踏ん反り返る城之内の姿がそこに。この二種類のケーキはどうやら鳳蓮の指導の下、城之内が拵えたものの様です。常連であるらしき二人からしても、鳳蓮作と見紛う程の出来合い。パティシィエ修行は伊達じゃなかった!

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調子に乗りすぎてる様子に、鳳蓮からすかさずトレイでどつかれ椅子から転げ落ちる城之内。でも、このコミカルな掛け合いがまた後で生きるのです。城之内はコミカルリリーフ的なポジションが多かったキャラでしたが、コミカル担当がシリアスな場面で真剣な演技をするってのは本当に涙出るほど盛り上がるのですから。

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そこへ突然飛んでくるイナゴの群れ。それが一箇所に寄り集まるとイナゴの風貌をした怪物の姿に。

貴虎「馬鹿な!まさかインベス!」

このイナゴは沢芽の街にも大量に飛び交い、復興を始めたばかりの街に恐怖の惨状を作り出していました。現場へ駆けつける光実。

光実「これは一体?」

少女「フッフッフッフ…久し振りだな…」

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訝しがる光実の前に見知らぬ少女が立ちはだかります。それが先ほどダンスの練習に参加していたメンバーの一人だとは気付きません。この子はヘルヘイム消滅後にチームに参加した子だったのかな。おもむろに戦極ドライバーと見慣れぬロックシードを取り出す少女。もはやドライバーもロックシードもこの世界には殆ど残っていない筈なのに。

光実「ロックシード…?」

少女「変身」

「ダークネスアームズ!オウゴンノカジツ!」

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少女の姿は邪な印象を与える黒とピンクのアーマードライダーの姿に変貌。後で気付きましたけど、このフェイスデザイン、「邪」の文字を意匠したものなんですね。

光実「何だ…?」

邪武「私の事を忘れたか…私はコウガネだ!ここまで力を取り戻すのに苦労したぞ!」

光実「コウガネ…?誰だ…?」

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光実同様、ここで多くの視聴者も同じ事を思った方も多かったのではないでしょうか。え?お前、誰?ウン私も思いました。えーと、ひょっとして劇場版だったかな…くらいは思い当たりましたが。(でも観てないのです)

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コウガネは『劇場版 仮面ライダー鎧武 サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』に登場したキャラクターで、歌舞伎俳優の片岡愛之助さんが演じて話題になりました。(そこはスポーツ紙の芸能欄で見かけた記憶あるので覚えています)

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※最近めっきりガシャポンCMに出なくなってた東京都のスズキヤマトが正体でなくて本当に良かった(胸を撫で下ろす)。スズキヤマトアームズが出てきたらどーしようかと思ってました。東京大江戸ハッピー!無論、前回のレビューで妄想してたシドでもなかったです。

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コウガネは、かつてフェムシンムの人々が文明を失いインベスに堕ちる以前、その科学者達によって「黄金の果実」を越える存在として研究・開発された「人造の」黄金の果実。それが自我を持ったと云うか、それをベースに作られた人造人間がコウガネであり、劇中の仮面ライダーマルスだったのでしょう。そう言われれば確かにデザインは似ている。マルスはウサギさんカットの林檎デザインでしたが。コウガネって名前も黄金(コガネ)から来てるんでしょうね多分。パラレル世界に存在した邪悪な仮面ライダーでもありました(推測)。

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どうやら紘汰以外の人間には、その世界の話は「夢」としてしか記憶に残っていないようなのです。そーいや、この劇場版の前日譚らしきTV本編のサッカー篇も私まだ観てなかったorz

邪武「そうか、お前にとってあれは夢の中の出来事か…だが私にとっては…耐え難い屈辱だッ!」

夢の中の出来事として忘れ去られてるのもまた屈辱。「黄金の果実」(人工)でもある彼は全ての生物の頂点に立った気でいたのに、雑魚扱いされてるのが気にいらんのでしょうか。手始めに光実を嬲るコウガネ、いや仮面ライダー邪武ダークネスアームズ。劇場版では分身全てに全アーマードライダーによるキックを喰らい爆散したようなのですが、エネルギー体になって逃げ、再び力を取り戻すまで次元の彼方に潜伏していたようです。

それがある程度力を取り戻すと、早速この現実世界目掛けてやってきたのでしょう。己を滅ぼしたこの世界のアーマードライダー達を全て倒し、溜飲を下げる為だけに。(器小せえ)あと、フルーツモチーフだから邪武(ジャム)なんだろうけど、既に「調理」され、フルーツ本来の可能性は限定されたものにしかなっていないって意味も含まれているのでしょうか。まあ、素直に邪な鎧武で邪武だとも思いますが。

邪武「フン、話にならんな…さあ、狩りの時間といこうか…」

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光実を倒すと、他のアーマードライダーの処へ向かう邪武。鳳蓮も城之内も貴虎もこのイナゴに似たインベスにすら軽く蹴散らされる。やはり生身のままでは太刀打ち出来ない。ちなみにこのインベス、イナゴに似ているのは旧約聖書の出エジプト記10章12節で記されていたイナゴ(サバクトビバッタ)をモチーフとしているのかな?災いの象徴。

邪武「どうしたアーマードライダーども。変身しないのか?」

城之内「もう…ベルトは…」

貴虎「こいつは…何者だ…」

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彼らのドライバーとロックシードはオーバーロードや凌馬、戒斗との戦いにおいて全て破損しており、もはやアーマードライダーとして戦う事は出来ない。

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そこに駆けつけるザック。主人公特性まだ活きてます。

ザック「何の真似だ!何が目的だ!」

邪武「決まっているだろう。復讐だ!フッハッハハ!」

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変身せずとも、臆する事無く皆同様に挑むザックですが、やはり蹴散らされてしまう。しかし皆さん、変身しなくてもアクションが上手い。

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邪武は少女の姿に戻ると、倒れている周囲を見据え、呪いの言葉を吐きつけます。

少女(邪武)「簡単には楽にしてやらんぞ。守ろうとしていたものが壊される様を、その目に焼き付けろ。フェムシンムのように滅びるがいい。猿どもめ(棒読み)」

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邪武は再びイナゴの群れに姿を変え、その場から立ち去りました。復讐のためにこの世界を滅ぼし、悲観に暮れる様を眺めて悦に入る為に。

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しかし、この棒読み台詞が意図的なのか演技に慣れていないせいなのか不明ですが、もうちょっと何とかならなかったかな。

そして邪武、正直、形式としてはこの最終回にラスボス的に登場していますが、物語の最終回としては先週で既に終わっており、この回はある意味エピローグ。そこそこ強い敵であったとしても、物語本編の内容には一切絡まない、所謂「噛ませ犬」でしかない存在なので、実は誰が出ても一緒でした。本編に「深く」絡まない位置付けの人材であれば。

逆に本編に正式に絡んでいないコウガネを引っ張り出したのは良い発想だったかもしれません。劇場版の強敵として存在感を見せつけ、尚且つ復活しているので前よりも遥かに弱体化している癖に高飛車なキャラクターは変わってないって部分が。「看板」だけはとりあえず立派ですから。人工的に作られた黄金の果実の化身ですしね。大昔に世界ランク入りした事もあった、今はしがないロートルボクサーみたいなものかもしれません。

アーマードライダー達はその変身能力を失い、頼りの元の紘汰は既に神話世界の住人として去り、この世界にはもういない。誰が、どのようにしてこの世界を守るのか。そして光実は…。

長くなり過ぎて、ドライブの放送開始前に更新出来なさそうなので、とりあえず2つに分け、後半へと続きますね。出来るだけ早く書き上げようとは思うのですが、何せ時間が…。

個人的にはラストのラストは、映画「アメリカン・グラフィティ」みたいに顔写真とその後の様子がテキストで次々と表示される、って感じだったら感極まるんですけどねー。

余談ですが、一番最初に書いた鎧武の記事「仮面ライダー鎧武が面白そうなんですが。」で書いた内容、今読み返してみてたんですが、当たらずとも遠からずと云うか、半分くらいは(当社推測)当たってたみたいな気がしてます。しかし、自分で書いておきながら、そこに書いた内容は殆ど忘れてましたね俺。何だか目が離せず結局ずっと観続けるだろうってのは正に大当たりでした。

それでは(2)へ続きます。

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